家づくり、鉄骨か木造か、それが問題だ①木造の検討

いくつかのハウスメーカーを回り、超ローコストメーカーも見て、僕が理解したことを備忘録的に書いておきたいと思います。素人なので、間違いもあるかもしれません…

あ、ちなみに木については、一部、仕事で関わっているので、少しは知っています。なので、まずは木造について、僕の理解を書いていきます。

木造とは?

もっとも一般的な材料で、まあ、その名の通り「木」で家の躯体をつくるものです。これにもいくつかの方法がありまして、古来から伝わるものですと木造軸組工法というのが一般的です。

木の土台と柱、壁で家を支える工法です。

これ、古いからダメ、というものではなく、良い材料を使って、正しい設計をして、しっかり施工すれば最強だと思います。

私の父方の祖父の家などは農家なのですが、木造軸組で、たぶん100年くらい建っていますが、東日本大震災で震度6強にさらされましたが、瓦が落ちただけで躯体は無傷でした。

今は流通すらしていない、極太の天然無垢杉の梁とかありまして、実は地震にも強いんですよね。

とはいえ、柱と壁で家を支えるので、デメリットとして、一定の間隔で必ず柱や壁が必要になります。また、シロアリ対策なども重要になりますね。

大手ハウスメーカーでも、タマホームや桧家住宅など多くのメーカーで採用されています。

 

木造の種類

他にも木造ですと、2×4、俗称ツーバイフォー工法というものがあります。これは規格化された板と柱でパネルを作って、そのパネルを組み合わせて家を作る工法で簡単に強い家を作ることができるメリットがあります。

そのほか、重量木骨や住友林業のビッグフレーム工法など、強力な集成材でフレームを強化して、大開口を実現する工法などが現在は生まれています。パナソニックが工務店向けに出しているテクノストラクチャー工法は、木造に鉄骨を組み合わせたフレームにしていたります。

 

木造住宅と耐震等級

そういった意味では、木造も大きく技術的に進化が進んでいるのです。

この進化、材料の進化と工法の進化に分けられます。

「木」なのに、材料が進化するのか? と思いがちですが、進化しているんです。

例えば、代表的なものは、家を支える上で重要な「耐力壁」を構築するための構造用合板などです。より軽く、より強い合板が技術開発で生み出されています。各合板メーカーの企業努力ですね。

 

ちなみに、耐震等級というものがありますが、基本的には構造計算という複雑な計算で算出されます。しかし、耐震等級は取得しなくても住宅は建てられるのです。

どういうことかと言うと、建築基準法という法律で家の耐震強度は規定されており、それを満たしていないと、基本的に家は建てられないのです。つまり、耐震等級があろうが無かろうが、ちゃんと建築許可をとっていれば、最低限の耐震強度は確保されているということです。

 

この建築基準法に対応している状態が耐震等級1ということになります。そして、その1.25倍の強度で耐震等級2,1.5倍で耐震等級3となります。

 

この耐震強度の面で、耐力壁は重要な役割を果たします。特に木造では構造計算をしなくても、もっと簡単な計算方法である「壁量計算」という手法で、家の耐震性能を評価し、建築許可を取ることができるためです(2階建てまでとか、制約があったような気がします)。

この壁量計算は、その名の通り、耐力壁の強さと量で評価する手法です。つまり、日本の木造の家の地震への強さは、壁の強さと量で計算されているということですね。

耐力壁に使う材料は、その強度がメーカーや素材で違うのです。例えば、A社の○○って合板だと、壁量を2倍で計算できるとか、B社の▲▲って合板だと3倍でOKとか。

 

えー、ローコストすぎるメーカーだと、「耐震等級3相当」って書き方でアピールしているケースがありますが、これは厳密には耐震等級3と同等の壁量を持っている(つまり、建築基準法上認められる壁量の1.5倍の壁量を入れている)ということで、構造計算をして耐震等級3を取得しているわけではないことに注意が必要です。

 

「標準で耐震等級3相当」って言われて買ったら、実際の耐震等級は1だったとか、まあ、ザラにありそうな感じです(でもちゃんと、壁量は1.5倍はいっている)。長期優良住宅の取得とかを考えている人や耐震性能にこだわるひとは、ちゃんと、「耐震等級3」であることを確認しましょう。

 

木造住宅の進化

さて、少し話が飛びましたので、戻しましょう。

そう、木造でも耐力壁の材料や集成材の作り方、乾燥処理方法などで技術進化が進んでいるのです。例えば、LVLやCLTといった材料などは合板の作り方(集成材の組合せ方)を工夫して強度を高めたものになります。CLTという材料は海外で木造ビルの建設にも使われているとか…日本でも活用が進んでいるようです(主に商業建築向けですが、補助金もあります)。

 

そして、工法の進化はもっと早く動いています。先ほども触れた重量木骨やビッグフレームもそうですが、木造軸組工法でも、ツーバイフォーの考え方やラーメン構造(フレームで支える構造)を取り込んで、面材をガッチリ貼り付けて強度を上げるような工法などが生まれています。床に面材をガッツリ貼る剛床工法などもそうですね。

さらに断熱まで考えると、以下に空気を循環させるか、断熱性能を上げるか、といった部分での木造住宅の進化速度には著しいものがあります。

はるか昔から、家づくりの基本だった木造住宅ですが、現代でも、それは色あせていないのです。

個人的なぶっちゃけた感想

と、木造住宅を褒めてきたわけですが(笑)、

某工務店とかで「木造の家はいいですよ~、木のぬくもりが…、木の香りが…」ウンヌン言われるわけです。ええ、僕も国産木材の利用推進事業とか、仕事でやっているので、まあ、よくわかりますけれども…

 

ぶっちゃけ、よほど内装にこだわらない限り、壁と天井は石膏ボードにビニールクロスですわな。

 

でもって、フローリングは木造でなくても、鉄骨でつくても、無垢材や挽板を採用すれば同じものが出来ちゃいます。

なので、ハウスメーカーの言う「木造住宅の木のぬくもり」は、内装の意匠の問題だと思っています。

あ、ログハウスっぽい家とか、純和風住宅であるとか、真壁作りであるとか、全力で構造材を前面に出した家は別ですよ。まあ、そういう家が建てたい人は他の材料は見ないと思いますがw

木の香りが欲しいなら、朝日ウッドテックのクールジャパンのヒノキなんかを採用すれば、良いのではないかと…

朝日ウッドテックのクールジャパン(桧)お洒落ですね。

あと、当然ながら熱の伝わりやすさは金属の方が高いので、高断熱・高気密を求めていく場合は、木造の方が有利でしょう。

なので、「木造住宅の方が住み心地を良くしやすい」なら本当だと思います。

 

耐震性能に関しては、イマドキ、ハウスメーカーでも工務店でも、大工でも一定以上のまともなところでちゃんと建てれば、

「地震で我が家が即倒壊して、ぺちゃんこにつぶされてしまう」ことは無いと思いました。

しかし、たぶん、震度7強の地震が起こった後も「そのまま」住み続けられるか、その後の補修が大規模になるか、軽微で済むか、といったところで違いはでると思います。

ただ、これは、「正しく設計して、正しい材料で、正しく施工した場合」でして、手抜き工事などが行われると、一発でつぶれる家ができるかもしれません。耐力壁の材料をケチって、使ってはいけないものを使うとか、釘の本数が少ないとか、ですね。

ですので、僕たちが木造のハウスメーカーを検討している時にこだわったのは、耐震等級で3を取得できる、という点に加えてちゃんとした施工ができそうかどうか、でした。

 

そう、木造には木造の良さがある!鉄骨には鉄骨の良さが、鉄筋コンクリートには、その良さが… なんですよねー

みんな違って、みんな(以下略

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